皆さん、こんにちは!
収穫量が増えてきたので無人販売を始めた、コスモです。
ほぼ趣味で始めた農業が今では食べきれないほど育ち、収穫できたので無農薬の美味しさを知っていただく機会と思い地元の人たちを中心に販売しています。
見知らぬど素人のお野菜を買っていただき
リピーターさんまでもできて
本当に幸せ者だと感じております。
今年に入り、収穫量が増え、大きく美味しい野菜を作れた理由は
「酸性度を理解し土づくりを改善したこと」
が大きいと思っています。
以前は牛糞から作った堆肥を使い、育てていましたが
「土の特徴、各作物が好む土質、酸性度の調整方法」などを理解し、試行錯誤を繰り返すことで成功する作物が増えました。
そこで今回は、土台となる土づくり方法をご紹介したいと思います。
この記事でわかること
沖縄と本土の土壌が違うって本当?
まずは本土と沖縄の土そのものの性質から見ていきましょう!
本土の土壌
- 植物や火山灰が堆積してできた土壌が多い
- 沖縄と違い、海に囲まれていない場所が多く、山や林が大きく影響している
沖縄の土壌
- 大陸から海流、珊瑚でできた琉球石灰岩の風化などでできた土壌が多い
- 本土とは反対に海に囲まれている影響が強い
沖縄の土は本土の土と違い、ミネラル分がたっぷりで有機物が少ないのが特徴です。
牛糞やバガス、緑肥植物などによる土づくりが
多く行われている傾向があり、いい土壌環境を作ることができます。
一例を挙げると沖縄産のゴーヤと本土さんのゴーヤです。
沖縄産は程よい苦味とほんのり甘みがあると言われており、これはミネラル分が豊富だからというデータがあります。
なので、各地域で生まれた作物は
最高の土壌環境で育ちそのエリアの特産物として有名になった
ってことは美味しくなる栄養分を豊富に含んで育ったのということかもしれませんね!
沖縄の土壌の種類
本土と沖縄の土壌の違いがわかったところで
沖縄にはどんな土壌があるのか?
3つの代表的な土壌を見ていきましょう!
1・ジャーガル
こちらは沖縄中南部でよく見られる土壌です。
特徴
- 島尻層群の泥灰岩からできている
- 土質は弱いアルカリ性
- 土色は灰色
- 粒子は重粘性土
保水性がありますが、泥なので、雨の日の作業が大変です。
また、酸性を好む果樹性類は不向きだと思います。
逆にアルカリ性を好む作物とは相性が良く
豊富なミネラルを含んでいる野菜メインで栽培しているところが多い印象です。
2 ・国頭マージ
こちらは沖縄北部でよく見られる土壌です。
特徴
- 八重山群島に分布し、粘板岩、砂岩、安山岩、花崗岩、国頭礫層などの母材に、植物等の堆積によりできている
- 土質は強酸性
- 土色は赤〜黄色
- 粒子は粗粒質~細粒質
透水性は良いが、保水性はなく、通気性も悪いので
腐葉土や有機物などを混ぜて、ふかふかの土にしないといけません。
しかし、ジャーガルと違い、酸性が強いので
パイナップルなどの果樹類とは相性が良いです。
3・島尻マージ
こちらは沖縄中部でよく見られる土壌です。
特徴
- 珊瑚の石灰岩の風化作用でできている
- 土質は弱アルカリ性、粘性土
- 土色は赤暗褐色~黄褐色
- 粒子は細粒質
晴天が続くとすぐに乾燥してしまうので
水やりには気を使わないといけません。
また、粒子がとても細く、保水性/通気性も悪く、アルカリ性なので腐葉土、堆肥、石灰を多く入れバランスの良い土にしてあげましょう!
ちなみに僕は牛糞を使って家庭で出た生ごみを
残渣処理し堆肥を作って、ふかふかの土を作っています。
自家製堆肥の作り方☟
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僕の地域はこの島尻マージの土が多いので
色々試行錯誤しながら土づくりに励んでいます。
この3つの土壌でミネラル、カルシウム、カリウムなどの栄養分が多い順は
メモ
- ジャーガル
- 島尻マージ
- 国頭マージ
しかし、何を育てるかによって環境を整えないといけないので、どの土が万能かというよりも
どの作物にどの土が1番良いかを考えることが大切ですね
沖縄県の地域別土壌マップがこちらです👇
自分達の地域がどの種類なのか確認できます。
沖縄県農業研究センター 土壌環境班 引用
酸性度(Ph)とは→人の体温と同じ
ここまで、沖縄の土について見てきました。
では、良い土を作るにはどうしたら良いのか?
その方法がPh酸性度管理です。
簡単にいうと、「人の体温管理」ということです。
イメージ
良い土=肥えた健康な状態の土
のイメージですね!
つまり、人と同じで土も病気にならないように健康管理が必要ということ!
その健康かどうかがわかる単位がph(酸性度)というわけです。
酸性・アルカリ性の関係性はバランスが大事!!
ph(酸性度)のイメージがわかったところで
どんな役割があるのか?
先ほども言いましたが、「ph=人の体温」とイメージした場合
全ての人が同じ体温ではなく、人それぞれに適温がありますね。
作物も同じで適したph度があります。
その適度を見極めるために土壌分析をし
各作物に適したph度を調整し育てることが大切です。
なので、酸性が強いのにほうれん草を育てやり
アルカリ性が強いうのイチゴを育てたりしたら、作物が可哀想ということです。
土づくりをする際は、育てたい作物のph度を把握し
酸性、アルカリ性のバランスがとれた土壌を作るようにしましょう!
各作物のph適正値
では、各作物のph適正値はどのくらいなのか見ていきましょう!
作物には酸性、アルカリ性を好むものがあります。
ここでポイント
酸性、アルカリ性のバランスの割合で美味しい作物が作れるかがポイント
ph6.5~7.0
ほうれん草、エンドウ など
ph6,0~6,5
アスパラガス・カリフラワー・玉ねぎ・にら・ねぎ・ブロッコリー•レタス・オクラ・カボチャ・きゅうり・ししとう・スイカ・ズッキーニトウモロコシ・トマト・ナス・ピーマン・パプリカ・まくわうりなど
ph5,5~6,5
キャベツ・小松菜・チンゲンサイ・イチゴ・ゴーヤ・大根・かぶ など
ph5,0~6,0
ジャガイモ・山芋・桃 など
phを測る方法
土壌の酸性度を測るには以下の方法があります。
必要なモノ
- ph測定液
- ph測定器
ph測定液は精度が高い
ph専用の液体容器に土を入れて、液を垂らしたら色が変わります。
その色でph値を確認することができます。
色が変わる写真
手間がかかりますが、精度は高いので
細かく分析し管理したい方にはオススメです。
また、金額も安いので、試しで使ってみても良いかもしれません。
ph測定器はとても楽!
測定器が非常に簡単で、土に1分間刺すだけです。
測定器を使用した写真
液体タイプよりは精度が劣りますが、何より楽です。
値段はピンからキリまであります。
高額なものは水分量、地温なども測れるので精度は上がると思います。
ここで注意点
測定器を購入する際は
アナログタイプがオススメです。
理由は
・電池が不要!
・針で示してくれるのでph度全体の値がわかること
失敗談
僕は一度デジタルタイプを購入して、使って見ましたがすぐに電池がなくなるし、ph値がピンポイントで表示されて管理しずらかったです。
でも、温度計がついていたのでそれは助かっています。
ph度を調整する方法
ph度と作物との関係性がわかったところで
ph度の調整する場合、どんな方法があるのか?
まずは酸性が強い場合から見ていきましょう
酸性→アルカリ性の土壌にする
酸性→アルカリ性にするには
石灰資材を土に入れて調整することができます。
苦土石灰や消石灰などホームセンターやJAで購入できます。
中でもオススメなのが僕も使っている
貝化石が原料の「有機石灰」です。
一言メモ
ph度を1.0上げるには
1㎡(深さ10cm)あたり
消石灰の場合→100g
苦土石灰・有機石灰の場合→150g
が目安です。
ここで注意点 雨が降ると徐々に酸性に傾くので、ph調整が必要です。
アルカリ性→酸性の土壌にする
アルカリ性→酸性にするには
露地栽培の場合は基本的には何もしません。
具体的にいうと
作物を育てたら、根から養分を吸収し代わりに水素イオンを出します。
水素イオン量が増える→酸性に傾く
ということです。
ハウス栽培の場合は
アルカリ性→酸性にする硫安や塩安アンモニウムといった酸性肥料を入れましょう!
一言メモ
ピートモスは水苔を成分とした改良肥料がオススメです。
無調整(ph4.0前後)と酸度調整済み(ph6.0前後)の2種類あり
アルカリ性→酸性の場合は無調整の方を使用しましょう!
ここで注意点 酸性→アルカリ性 比較的簡単
アルカリ性→酸性 結構難しい
酸性の土壌にするにはかなり時間と調整が必要になるので、石灰を過剰に使用してアルカリ性が強すぎる土壌にしないように気をつけましょう!
土づくりは生活環境を整えると同じで時間がかかる
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ここで今までのまとめをします。
ポイント
- 本土は植物や火山灰が堆積してできた土壌
- 沖縄は大陸から海流、珊瑚でできた琉球石灰岩の風化などでできた土壌
- 沖縄の土は北部:国頭マージ 中部:島尻マージ 南部:ジャーガル
- 酸性度と作物の関係=健康管理
- 作物=人/ph度=体温
- 測定液は安く、精度が高く、測定器は手頃で簡単
- 酸性→アルカリ性 ◯ アルカリ性→酸性 ✖︎
土づくりは人が引っ越して環境を作っていくように時間がかかります。
生活できる土台を整えてあげることで
作物が早く育ち美味しい状態で収穫できます。
沖縄で家庭菜園や農業を始めたい方の参考記事になれば最高の収穫です!